日本のHIV/エイズ感染者がこんなに少ないのはなぜ?
日本のHIV/エイズの感染者数は年間で1,500人程度であり、これは諸外国と比べるとダントツで低い値です。
アフリカをはじめ、タイ、韓国、中国、モンゴル・・など我々の住む日本の周りの国ではHIV/エイズが猛威を振るっており、国を挙げて莫大な国家予算の元、対策や対応がなされています。
これらの国のHIV/エイズ状況を考えると日本でのHIV/エイズの感染者数は低すぎであり、もっと高い感染者数であってもおかしくありません。
ではなぜ?こんなに感染者数が少ないのでしょうか?
日本ではHIV検査により感染症に気が付くのではなく何かしらの症状が現れてHIVに感染した事実に気が付くケースが多いと報告されています。
この数はおおよそ全体の30%!!?
HIV/エイズが国家レベルで深刻な問題になっている諸外国ではセックスワーカーに対するHIV検査を義務づけ2次感染を完全に抑えるべく活動をしています。これに対し日本では厚生労働省指導の下、同性愛者が集まり易い地域や場所にポスターなどで広報活動をしているだけでHIV検査を義務づける活動はプライバシーの観点から行なっていないのが現状です。
この事実から HIV検査を行っている受検者が少ない為に年間で1,500人程度しか発見されていないだけでエイズを発症していないHIVキャリア(無症状キャリア)が無数に存在している事が容易に想像できると思います。
数値で見えない無症状キャリアの存在が日本のHIV/エイズを拡大させているのです。
関連/参考:HIV感染SOS
無症状キャリアの危険性
HIV/エイズ感染者の死亡状況のレポートを見ると先進国ではこの感染症が原因で亡くなっている方は現状では殆どいません。これを聞くと「治療を行えば大丈夫」と思われがちですが、少し状況が違います。
HIVはインフルエンザの様に独特な体調に現れる病変がなく、免疫と云う「見えないもの」を攻撃します。この免疫は人間にとって非常に「重要なもの」であり様々な病気に対しての抵抗力でもあります。エイズ発症とはHIVが進行した度合(深度)をはかるため、厚生省が規定した感染症を発症した場合ので呼び名であり、例え発症しなくても体の中では免疫不全が進行している事実を理解する必要があります。
例えば”癌”などはHIVに感染していなくても起こりうる病気の為に発病してもエイズ発症となりませんが、HIVの進行により免疫不全がすすめば発病する可能性も高くなります。つまりエイズが原因で亡くなっている方はいなくても違う病気により命を落とす危険があることを考えなければなりません。
HIV感染した事実に気が付かない多数の無症状キャリアは着実に免疫不全に向かい、日々エイズまたは癌などの病気を発症する危険と隣り合わせにいることになります。免疫不全を起こしエイズになる前に・・更にはエイズ以上に恐ろしい本当の”死を覚悟する病”を発症させない為にも一日でも早くHIV検査をして欲しいと願うばかりです。
「まさか自分が!?」
と思われるのも無理もありません。感染者の誰もが自分が感染していると思っていなかったのですから・・
